【3月6日 CNS】「長春は私の第二の故郷です。私はこの故郷で一緒に闘います」――新型コロナウイルスの感染が始まった時、日本にいた山崎由美子(Yumiko Yamazaki)さんは、中国・吉林省(Jilin)長春市(Changchun)に戻り、中国の友と一緒に闘うことを決めた。

 中国の文化と生活を愛する1962年生まれの山崎さんは、長春の外国語訓練学校の副校長だ。ひと昔前に長春で結婚し、家庭を持った。

 今年の冬休みの期間、日本に戻っていた山崎さんは、中国で新型ウイルスの感染が広がったことを聞き、即、長春に戻ることを決めた。その時、日本で感染は発生しておらず、日本にいる息子や友人を心配させた。「みんな私が長春に戻ることに反対しました」。しかし、結局、自分の考えを曲げなかった。

 長春に戻ってから、山崎さんは規定により隔離された。隔離期間が終わると、夫と一緒にウイルスとの闘いにボランティアで参加した。医療物資が最も欠乏していた時期に、多くの消毒液を集め、友人や近所に配った。「マスクは買えなかったけれど、消毒液は少し手に入れることができたので、皆さんに配りました」と話す。

 山崎さんは自身が生活する集合住宅の中で、出入り口の登録係や共有施設の消毒などのボランティアに参加。「この期間、もともとあまりお付き合いのなかったご近所さんとも仲良くなることができました」と語る。

 日本で感染が広がるにつれ、息子のことが心配だ。「人が多い場所に行かないで。外出する時にはマスクを着けてね」と、毎日息子とテレビ電話をするたびに言っている。

 中国での感染については心配していない。長春市の外事部門は毎日、長春在住の外国人に感染症の情報を伝えており、自身を守るための参考になっているという。

 かつて吉林大学(Jilin University)で中国語を学んでいた山崎さんは今回、新しい中国語の単語「逆行(立ち向かう)」を学んだという。身をもってこの言葉の意味を体感する毎日だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News