【3月5日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は4日、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、東京五輪の中止や延期といった最悪のシナリオは理事会で議題に上がらなかったと強調した。

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「きょうの理事会の間、中止や延期といった言葉は出なかった」「臆測という火に油を注ぎたくない。きのうから、われわれの発表は極めて明快だ。東京五輪の成功に全力を尽くす」

 東京五輪は7月24日から8月9日まで開催されるが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、スポーツ大会の中止や延期が世界中で相次いでいる。

 バッハ会長は、さまざまな専門家から寄せられる情報を根拠に東京での五輪開催に自信を持っているというが、五輪が中止、または延期される場合、誰が最終決定を下すかという質問には、臆測で答えることはできないとした。

 フェンシング選手として五輪で金メダルを獲得し、その後弁護士になった経歴を持つバッハ会長は、「法的なアドバイスを与えたくない。その件については議題に上がっておらず、検討すらされていない」と話している。

 過去、五輪が戦争以外の理由で中止になったことはない。冷戦下だった1980年モスクワ五輪と1984年ロサンゼルス五輪ではボイコットが相次いだものの実施され、2016年リオデジャネイロ五輪はジカ熱の流行を受けて多くの選手が出場を見送ったものの開催に至っている。(c)AFP