【3月4日 AFP】オウム目の一種でニュージーランド固有種の大型の鳥「ミヤマオウム(ケアオウム)」には、確率に基づいて選択することを学習する能力があるとの研究結果が3日、発表された。意思決定の過程で統計モデリングを利用する動物は、大型類人猿以外では初めてだという。

 野生動物の専門家チームは今回、統計に関する理解をテストするためのさまざまなゲームをミヤマオウム6羽に教えた。ミヤマオウムは高い知能を持つことで知られている。

 6羽には、「黒色のトークン(代用硬貨)で餌のご褒美」「オレンジ色のトークンで餌なし」ということをそれぞれ関連付ける訓練を行った。

 初期のテストでは、ミヤマオウムがくちばしで黒色のトークンをくわえると、実験担当者が餌を与えた。

 次のテストでは、黒とオレンジのトークンをいっぱいに詰めた二つの透明な瓶をミヤマオウムに見せた。一方の瓶は黒のトークンが多く入っており、もう一方にはオレンジが多く入っていた。実験担当者はそれぞれの瓶からトークンを1個取り出してそれぞれの手に隠し持ち、ミヤマオウムにどちらかを選ばせてから餌を与えるようにした。

 すると、ミヤマオウムはオレンジより黒の割合が比較的高い瓶から取り出されたトークンを持つ手の方を優先的に選んだ。これは、ミヤマオウムが確率を重視していることを示している。

 さらにミヤマオウムは、オレンジより黒のトークンの方を多く取り出すという「偏り」を事前に明示した実験担当者を好む傾向も示していた。

 ニュージーランド・オークランド大学(University of Auckland)心理学部の研究助手、アマリア・バストス(Amalia Bastos)氏は、「ミヤマオウムが極めて知能が高いと思われることは以前から知られていたため、確率を理解できることが明らかになってもさほど驚きはなかった」と話す。

 バストス氏は、AFPの取材に「最も驚きだったのは、ミヤマオウムが社会的情報や物理的情報を自身の確率的判断に組み入れることができる点だ」と語った。(c)AFP