【3月2日 AFP】(更新)韓国で新型コロナウイルスの流行の中心となっている秘密主義の新興宗教団体「新天地イエス教会(Shincheonji Church of Jesus)」の教祖が2日、感染を拡大させたことについて謝罪した。

 韓国の新型ウイルスの感染者4000人超のうち、新天地イエス教会の関係者がその半数超を占めている。

 教祖のイ・マニ(Lee Man-hee)氏(88)は声を震わせながら、「教会員を代表して、私から国民に対して心からのおわびを表明したい」と述べた。

 同国北部の加平(Gapyeong)で開かれた記者会見では、報道陣を前に土下座し、「意図的なものではなかったが、多くの人が感染してしまった」と説明。

「私たちは最大限の努力を傾けたものの、防ぐことはできなかった。国民の許しを乞う」「政府に対してその努力に非常に感謝している。政府に対しても許しを乞う」と述べた。

 これに先立ちソウル市政府は、殺人や感染症予防・管理法違反などで、同教祖を含む教会指導者12人を検察に告発したと発表。
 
 朴元淳(パク・ウォンスン、Park Won-Soon)ソウル市長は自身のフェイスブック(Facebook)ページで、「もし彼らが積極的に早期対策を講じていれば、われわれは大邱(Daegu)や慶尚北(North Gyeongsang)道におけるCOVID-19感染者の爆発的な急増を食い止めることができた」と指摘した。

 同教会は、当局が関係者26万6000人超を追跡および検査しようとしたものの、正確ではない信者名簿を当局に提出したとして非難の目が向けられている。

 教祖のイ氏は最後の審判の日に14万4000人を天国に連れて行く「約束された指導者」として信者から崇拝されており、同団体はカルト団体として非難されることも多い。

 先月10日に同団体の女性信者(61)が発熱したものの、韓国第4の都市・大邱で少なくとも4回礼拝に参加。その後、女性の新型コロナウイルス感染が確認され、大邱は同国におけるウイルス流行の中心地となった。(c)AFP