■新たな知見

 研究チームは、ハチが花畑の場所を仲間に伝達するために用いた1528通りのダンスを解読し、花畑の場所を地図に記録した。この作業を通じて分かったのは、ハチが情報の伝達をする時期が主に花粉採集シーズンの後半である8月と9月であることだった。これについては、冬に向けて餌を蓄える目的があると考えられるという。

 研究チームは、ハチの採餌活動の時期以外に、ハチが好む花の種類についても解明したいと考えていた。

 この目的を達成するため、研究チームは観察対象のハチの一部を捕獲して氷を詰めたかごに入れ、ハチを数分間だけ無力化して後脚から花粉団子を収集した。花粉は顕微鏡で観察、もしくはDNA配列の解析を行った。

 その結果、ハチたちが仲間に知らせている植物については、アキノキリンソウやプレーリークローバーなどを含む在来の草原植物群7種であることが分かったと、カーマーケル氏は説明した。

 ミツバチは近年、正体不明の病原菌、寄生生物、殺虫剤などによる脅威に直面している。最近の調査報告によれば、米国に生息するミツバチは、2018年4月~2019年4月の期間に個体数が40%減少しているという。

 こうした状況についてカーマーケル氏は、「ミツバチのコロニーは栄養状態が良好なら、殺虫剤や病原菌に対処する能力が高くなり、他のあらゆるストレス要因に対しても対処能力が高まる」と説明している。(c)AFP/Issam AHMED