【3月2日 AFP】米国とアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が結んだ和平合意に関し、アフガニスタン政府は1日、米とタリバンの捕虜交換という鍵となる条項に反発した。アフガン政府とタリバンが独立した合意を締結するための交渉は難航が予想される。

 先の大統領選挙で再選したが不正疑惑で政治危機に直面しているアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領は、米国とタリバンが結んだ合意の中の、多数の捕虜の交換を求める条項を確約しないと言明した。捕虜交換は、タリバン側が数年にわたり要求していた。

 合意では、タリバンの捕虜の解放について「米国はこの目標の達成を誓約する」としているが、アフガン政府が実施しない場合には、目標がどのように実現されるのかは不明だ。

 ガニ大統領は異例の記者会見を行い、「捕虜5000人を解放するという確約はない」と言明、いかなる解放も「米国の権限内でなく、アフガン政府の権限内にある」と強調した。

 捕虜交換は、先月29日にカタールの首都ドーハで米国とタリバンが署名した合意の一部。1年以上に及ぶ双方の交渉で具体化されたこの合意の中で、米国は、タリバンがさまざまな誓約を順守し、アフガン政府との協議を開始するという条件で、アフガンから駐留部隊を14か月以内に完全撤退させる計画を示している。(c)AFP/Thomas WATKINS, Emal HAIDARY