【2月27日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)の昆明医科大学(Kunming Medical University)第一付属医院で24日、初の「5G+VR(仮想現実)隔離患者看護システム」が稼働した。隔離された感染患者と家族を5Gで結ぶインタラクティブ(対話型)な「命のライン」だ。

 このシステムは、同医院が中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)昆明支社と共同でつくった。「8Kパノラマ」と「VR画像実況中継」などの技術を組み合わせ、5Gネットワークの高帯域幅、低遅延性の特性を生かし、VRヘッドセットやタブレット端末、携帯電話や高精細度テレビなどにつなげている。

「VRヘッドセットを装着すれば、遠隔操作で、病室内を360度見渡し、患者の状態を観察することができる。家族も携帯電話などの端末を使い、患者の状態を見たり、医師との会話を聞いたりできる」と同医院の王昆華(Wang Kunhua)院長は語る。

「このシステムの稼働で、患者の状態把握がしやすくなったほか、防護服などの医療用品の消耗を減らすことにもつながっている。患者と家族の気持ちを和らげる効果も出ている」という。

 同システムには患者のプライバシーを保護するため、双方向性の遮蔽(しゃへい)機能が備わっており、患者は自身の判断によりシステムのオンオフを操作できる。

「家で携帯電話を使えば妻の姿を目にすることができるし、病室の中も360度見渡せるので、とても便利です。妻の調子がだいぶ良くなったことが見られたので安心しました」とある患者の夫は語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News