【2月24日 AFP】イタリアで開催されたミラノ・ファッションウィーク(Milan Fashion Week)で、「ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)」は23日、新型コロナウイルス感染拡大の予防措置として、無観客のショーを開催した。18日に閉幕したロンドン・ファッションウィーク(London Fashion Week)にも、新型ウイルス流行の影響が見られた。

 これに先立ち、イタリア当局は新型ウイルス感染者数の急増を発表。複数の町が封鎖された。感染者の大半は、ミラノ南東約70キロに位置する町、コドーニョ(Codogno)を中心に確認され、ミラノ・ファッションウィークにも新型ウイルス感染拡大への不安が忍び寄っていた。

 ジョルジオ アルマーニは22日、「招待客全員の健康を守るため、混雑した会場への案内を控えることが決定された」と発表。ショーは公式ウェブサイトやインスタグラム(Instagram)、フェイスブック(Facebook)でライブ配信された。

 ミラノ・ファッションウィークは、ニューヨークを拠点とする中国人デザイナーが手がける「HAN WEN」のショーで幕を開けた。「中国よ、私たちはあなた方と共にいる」と題された中国への連帯を示すキャンペーンも同時に始まったが、新型ウイルスの広がりでショーに影が差した。中国人デザイナーやバイヤー、そして記者ら数千人がミラノ・ファッションウィークへの参加を見送ったのだ。

■ロンドン・ファッションウィークにも暗い影

 新型ウイルスはまた、ロンドン・ファッションウィークにも暗い影を落とした。

 ロンドン・ファッションウィークは14日から5日間にわたり開催されたが、主催者によると、参加者数の「激減」が目立った。移動制限により、中国の小売業者とメディアの参加が大幅に減少したのが一因だ。

 中国は高級ブランド品の世界最大の消費国であるため、ファッション業界には深刻な打撃となった。

 英国ファッション協会(The British Fashion Council)は、消毒剤を手元に、ロンドンの会場を徹底的に清掃した。

 しかし、マスクを着用したモデルはごくわずかだった──もちろん、ショーの演出としてのマスクだった。(c)AFP