【2月23日 AFP】アフガニスタンは22日午前0時(日本時間同4時30分)から部分的な停戦である「暴力削減措置期間」に入った。停戦はおおむね守られており、戦闘が長く続いている同国の転機になる可能性がある。

 アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)と米軍、アフガン軍は「暴力削減措置期間」に合意。散発的な攻撃もあったものの、閑散としていたアフガニスタンの通りに喜びに満ちた市民らが繰り出した。

 2001年に米軍主導の軍事介入が始まって以来、停戦は2度目だ。1度目は、2018年のイスラム教の祭日「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」に合わせてアフガン政府側とタリバンの間で3日間停戦すると電撃発表され、実施された。

 カブールのタクシー運転手、ハビブ・ウラー(Habib Ullah)さんは、「爆弾や自爆で殺される恐怖を感じずに外へ出られたのは、今日の朝が初めてだ。いつまでも続けばいいのに」と述べた。他の地域では、停戦が始まった22日午前0時から通りでダンスをした人々もいた。

 しかし北部バルフ(Balkh)州ではタリバンが州都マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)近くの州政府庁舎を攻撃。地元当局者はAFPに対し、アフガン兵2人が死亡したと明らかにした。中部ウルズガン(Uruzgan)州でも別の攻撃があったと伝えられている。

 今回の部分的停戦により、2月29日にカタールの首都ドーハで米政府とタリバンが和平合意に署名する条件が整うと期待されている。和平合意が成立すれば、将来的には米軍が撤退し、18年以上に及ぶ戦争で疲弊したアフガニスタンは先の見えない新たな時代に入る可能性がある。 (c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI / Elise BLANCHARD