【12月30日 AFP】国連(UN)は26日、18年にわたり流血の紛争が続くアフガニスタンで、ここ10年間に戦闘により死傷した民間人が10万人以上に上ったと報告し、紛争の終結を再度求めた。

 アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)と米国の和平協議は、反政府勢力による攻撃が相次いだことを受けて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が9月に打ち切りを表明。それでも双方は交渉を継続している。

 一方で激しい戦闘も全土で展開されており、民間人が頻繁に暴力の矢面に立たされている。

 国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の代表を務める山本忠通(Tadamichi Yamamoto)アフガニスタン担当国連事務総長特別代表は、「UNAMAが民間人の犠牲者数を体系的に記録し始めた時点からここ10年間だけで、民間人の犠牲者が最近10万人を超えたことを極めて悲しく受け止めている」と発表。

「国連はあらゆる和平努力の当事者に対し、何百万人という一般のアフガン国民、とりわけ紛争の犠牲者であり、生活を立て直すために平和に暮らす機会を願う人々に思いを寄せるよう強く訴えている」と述べた。

 国連は、アフガニスタンにおける今年7月1日~9月30日の死者は1174人、負傷者は3139人で、「前例のない」数の民間人が犠牲になったと報告していた。

 国連統計によると、過去最多の死者数が記録されたのは昨年で、戦闘により民間人少なくとも3804人が死亡し、うち927人は子どもだったという。(c)AFP