【2月14日 AFP】化石燃料が原因の大気汚染による世界全体の経済的損失額が、1日当たり80億ドル(約8800億円)に上ることが、環境保護団体が12日に発表した調査で明らかになった。これは世界の国内総生産(GDP)の約3.3%に相当するという。2018年の世界全体の経済損失額は2兆9000億ドル(約320兆円)だった。

 独立研究機関CREAと環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)東南アジア支部の研究では、特に石油、天然ガス、石炭の燃焼に起因する大気汚染について調べた。具体的には、化石燃料による大気汚染の世界的負担を経済的損失と早死にした人の数で評価し、汚染物質の種類と国別に分析した。

 国別の年間損失額では、中国が最も大きく9000億ドル(約99兆円)、次いで米国が6100億ドル(67兆円)、インド1500億ドル(約16兆円)、ドイツ1400億ドル(約15兆円)、日本1300億ドル(約14兆円)、ロシア680億ドル(約7兆5000億円)、英国660億ドル(約7兆2000億円)の順。

 汚染物質別では、自動車や発電所での化石燃料燃焼の副産物である二酸化窒素(NO2)による年間損失額が3500億ドル(約38兆円)、オゾンが3800億ドル(約42兆円)だった。

 また化石燃料の使用によって放出される微粒子が原因で、世界では毎年450万人が早死にしていることも明らかになった。国別では中国が180万人、インドが100万人、汚染物質別ではNO2が50万人、オゾンが100万人、PM2.5が300万人。

 損失額が群を抜いて大きい汚染物質は微小粒子状物質(PM2.5)で、健康への影響、労働損失日数、早死にによって失われた年数などで評価する損失額が年間2兆ドル(約220兆円)以上に達している。さらにPM2.5が原因で毎年約4万人の子どもが5歳の誕生日を迎える前に死亡している他、400万人が新たにぜんそくとなっている。年間200万件の早産の原因でもある。

 化石燃料汚染によって早死にした人の推定値は、欧州連合(EU)が9万8000人、米国が23万人、バングラデシュが9万6000人、インドネシアが4万4000人。(c)AFP/Marlowe HOOD