【2月13日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は12日、アマゾン(Amazon)川流域における社会正義と環境の尊重を訴えたものの、物議を醸している既婚男性が司祭になることについては言及しなかった。

 フランシスコ教皇は使徒的勧告の中でカトリック教徒らに対し、違法な採掘と森林伐採によるアマゾンでの環境破壊や先住民の搾取に「憤りを感じる」よう呼び掛けたが、既婚男性が司祭になることには言及しなかった。既婚の司祭をめぐっては昨年10月、遠隔地でミサを行うことができる司祭の増加を目的としてアマゾンの司祭らが提案し、議論を呼んでいた。教皇は代わりに宣教師の増員や現地にいる女性・一般市民が担う役割の拡大を強く訴え、アマゾンの諸文化とよりよい交流を実現するため、司祭らの研修増加も求めた。

 教皇は昨年1月、任意の独身制が認められるべきとは思わないとする一方、一部の「遠隔地での可能性」を容認する姿勢を示し、アマゾンを例外として認めるのではないかとの臆測が出ていた。

 しかしカトリック教会内の伝統を重視する勢力はこの姿勢に強く反発。例外を設けることにより、司祭の独身制が全世界で廃止される道が開かれると不安視していた。(c)AFP/Catherine MARCIANO, Alexandria SAGE