【10月27日 AFP】ローマ・カトリック教会がバチカンで開催していた南米アマゾン(Amazon)地域の問題を協議する司教会議(シノドス)は26日、同地域の既婚男性が司祭となることを認めるようフランシスコ法王(Pope Francis)に提言する文書を採択し、閉幕した。

 6日から3週間にわたって開かれた司教会議には、世界各国の司教180人以上が出席。この約6割がアマゾン地域の南米9か国からだった。

 司教らは、アマゾン地域の先住民族代表、専門家、修道女らと共に、気候変動、貧困、土地の収奪、水銀による水質汚染、女性に対する暴力など、同地域が抱えるさまざまな問題を協議。中でも最も熱い議論が交わされたのが、司祭が不足しているへき地において適格者と認められた既婚男性「viri probati」が司祭に就くことを容認するか否かという問題だ。こうした遠隔地では、司祭不足のためにミサを行うことが難しくなっている。

 既婚者の司祭を認めるにあたって教会法を改定する必要はないため、司教会議は司祭を独身者に限定した規則に例外を認めるよう法王に要請。さらに、アマゾン先住民族コミュニティーの伝道活動で中心的な役割を担う女性たちのために、公式な役職を設けることを提言した。これに対し法王も、年末までの対処を約束した。

 提言の影響は、広大なアマゾンの孤立地域のみでなく、ローマ・カトリック教会全体におよぶ可能性もあり、欧州や北米の司祭を中心とする超保守派は強く反発。例外を認めれば、世界規模で司教独身制が廃止されることになりかねないと抗議している。(c)AFP/Catherine MARCIANO / Ella IDE