【2月18日 AFP】サッカー元ブラジル代表MFで、2007年にバロンドール(Ballon d'Or)を受賞したカカ(Kaka)氏は、今度はピッチの外でサッカー界の頂点を目指し、パオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)氏から受けたインスピレーションを頼りにしている。

 ブラジル代表として2002年のW杯(World Cup)を制したカカ氏は、7度の欧州制覇を誇るイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)でフロント入りした元チームメートのマルディーニ氏や、ズボニミール・ボバン(Zvonimir Boban)氏らの後に続くことを目指している。

 昨年6月、レオナルド(Leonardo Nascimento de Araujo)氏に代わってミランのテクニカル・ディレクターに就任したマルディーニ氏は、この冬ズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)の復帰を実現させる上で重要な役割を担い、ボバン氏も同チームのチーフ・フットボール・オフィサーを務めている。

 カカ氏はAFPのインタビューに対し、「あの2人が刺激になっている」とコメントし、自身が2003年にカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のサンパウロFC(Sao Paulo FC)からミランに移籍した際に尽力した同胞のレオナルド氏から、選手からクラブ幹部への転身の仕方についてアドバイスを受けたと明かした。

 現在はフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)でスポーティング・ディレクター(SD)を務めるレオナルド氏について、カカ氏は「彼とはよく話す」「非常に優れたスポーティング・ディレクター(SD)で、私の引退後の可能性についてたくさん助言をしてくれる」と語った。

 サッカー界で経営やマネジメントの道を目指す元プロ選手に向けた欧州サッカー連盟(UEFA)のセッションに参加した後、カカ氏は今回の取材に応じた。このセッションには元コートジボワール代表のディディエ・ドログバ(Didier Drogba)氏や、元ドイツ代表のクレメンス・フリッツ(Clemens Fritz)氏らも出席した。

「これからのキャリアでやりたいことを考えるのにふさわしい時期」というカカ氏は、「いつかサッカー界に戻りたいが、まだ少し早い。このプログラムは、次なる挑戦に向けて準備する機会を与えてくれる」「将来的に私が心に描いているのは、SDやマネジメント職に就くこと」と話した。

 ミランでセリエAと欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)のタイトルを手にし、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)での不満の募る4年間ではリーグ優勝を経験した37歳のカカ氏は、2017年にスパイクを脱いだ。引退発表の際にはミラン復帰へ向けた扉を開けたが、これまでオファーは届いていない。

 しかし、PSGのレオナルド氏の下で経験を積むのはどうかとAFPが問いかけると、カカ氏は「直接行って彼に聞いてみよう」とジョークを飛ばし、その可能性を否定しようとはしなかった。また、母国ブラジルで仕事をすることにも興味があるというが、次のキャリアの場所を言及するのは時期尚早だとしている。

「今後出てくるすべての機会に目をやるつもり。今はピッチ外で必要なスキルの習得に取り組んでいるところ」 (c)AFP/Yassine KHIRI