【2月11日 AFP】米大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)は10日、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)からスター選手のムーキー・ベッツ(Mookie Betts)外野手を獲得したと発表した。両球団によるこの電撃トレードは、先週末を挟んで一時は破談寸前に追い込まれていた。

 2018年シーズンのア・リーグ最優秀選手(MVP)に選出されたベッツは、元サイ・ヤング賞(Cy Young Award)投手のデビッド・プライス(David Price)と共に金銭込みで、ドジャースの有望選手3人とトレードされることになった。この話が最初に持ち上がったのは先週のことで、ミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)を絡めた3球団によるトレードが模索されていた。

 しかしながら、レッドソックスが三角トレードでツインズから獲得する予定だったブラスダー・グラテロル(Brusdar Graterol)投手の身体検査記録に難色を示し、話は暗礁に乗り上げた。そして、ドジャースが交渉の仕切り直しを余儀なくされた結果、当初予定していた以上の若手選手を放出することでベッツとプライスとの契約を完了した。

 ドジャースはアレックス・ベルドゥーゴ(Alex Verdugo)外野手、ジーター・ダウンズ(Jeter Downs)遊撃手、そしてコナー・ウォン(Connor Wong)捕手をレッドソックスにトレード。ツインズとの別交渉では、前田健太(Kenta Maeda)投手に加えてマイナーリーグのジャイール・カマーゴ(Jair Camargo)捕手を放出し、その見返りにグラテロルとルーク・ラリー(Luke Raley)、そしてドラフト指名権を獲得することになった。

 一方、ベッツをトレードに出したレッドソックスは、同選手が2021年にフリーエージェント(FA)になるまでチームに引き留めず、キャリアのピークを迎えている27歳を移籍させたことに地元ファンから大きな怒りを買った。

 レッドソックスのジョン・ヘンリー(John W. Henry)オーナーは、同日発表したコメント文でファンの苦悩に理解を示し、「素晴らしい、とても愛されている選手をトレードに出したことは、ムーキーがいかに特別であるかを完全に理解しているファンにとって、どれほどつらい気持ちであるか認識している」と述べた。

「球団として、ムーキーがキャリアを通じてレッドソックスのユニホームを着ている姿を心から見たかった一方で、レッドソックスの現在と未来に責任がある立場として、われわれはこの決断を信じている」「フィールド内外での、ムーキーの素晴らしい貢献に感謝している」 (c)AFP