【2月11日 AFP】台湾国防部(国防省)は10日、中国軍機が台湾海峡(Taiwan Strait)の「中間線」を越えて台湾側に侵入したため、台湾軍機が緊急発進したと発表した。中国軍機の中間線越えは、蔡英文(Tsai Ing-wen)総統が1月に再選して以来初めて。

 台湾国防部によると、台湾側に侵入したのは、中国軍のH6爆撃機とその護衛機。

 蔡総統は、今は新型コロナウイルスを封じ込めなくてはならない時で、「無意味で不適切」な軍事行動を起こしている場合ではないと中国政府を非難。フェイスブック(Facebook)に、「武漢(Wuhan)ウイルスが大流行しているという時に軍を動かすのは、無意味なだけでなく不適切だと中国政府は気付いてほしい」と投稿した。

 台湾国防部によると、中国軍のH6爆撃機と殲11(J11)戦闘機は9日にも台湾に接近したが、中間線は越えなかったという。

 台湾の呉釗燮(Wu Jaushieh)外交部長(外相)はツイッター(Twitter)に、「2日連続で、中国人民解放軍空軍の軍用機が台湾近くを飛行した。蔡総統は中国政府に対し、台湾を軍事的に脅迫するのはやめて、武漢ウイルスに対処するよう呼び掛けた。いいか、H6爆撃機は新型コロナウイルス対策の役には立たない」と投稿した。(c)AFP