習主席、異例の治療現場視察 WHO、海外感染の広がりに警鐘
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【2月11日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は10日、新型コロナウイルスに感染した患者の治療が行われている病院を視察した。一方で世界保健機関(WHO)は、中国外でこれまで確認されている感染例は「氷山の一角」かもしれないと警鐘を鳴らした。
習主席は、ウイルス感染者の治療が行われている北京地壇医院(Beijing Ditan Hospital)を訪れ、第一線で活躍する医療従事者らと面会。自らマスクを着用し、体温検査を受ける場面もあった。中国中央テレビ(CCTV)によると、習主席はウイルスの流行中心地の状況について「依然として非常に深刻だ」と述べ、流行の拡大を抑えるため「さらなる断固とした措置」を要請した。
習主席は新型コロナウイルスの流行が始まって以降、公の場にほぼ姿を現しておらず、今回の現場視察は異例。国営メディアによると、青のマスクに白の外科用ガウンを身に着けた習主席は、同病院で患者の治療の様子を視察したり、武漢(Wuhan)の医師らとテレビ電話で話をしたりしたという。CCTVによれば、習主席はその後、北京中心部にある住宅地を訪れ、感染拡大防止対策を「調査・指導」した。
中国での同ウイルスによる死者は900人以上、感染者は4万人を超えている。WHOは、中国に専門家チームを派遣。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はツイッター(Twitter)で、海外で中国への渡航歴のない人の感染が確認されるという「懸念を生む事例」があると指摘し、「私たちは氷山の一角を目にしているだけかもしれない」との見方を示した。(c)AFP/Helen ROXBURGH, Jing Xuan TENG