【2月10日 AFP】アイルランドで9日、下院総選挙の開票が始まり、かつてカトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の政治部門だった民族主義政党シン・フェイン党(Sinn Fein)が、中道右派の統一アイルランド党(Fine Gael)と共和党(Fianna Fail)の二大政党を上回る得票率で躍進を見せている。

 アイルランド国内の全39区の集計結果、左派シン・フェイン党は得票率24.5%を獲得。共和党の22.2%、レオ・バラッカー(Leo Varadkar)首相率いる統一アイルランド党の20.9%を上回り、首位に立った。

 だがアイルランドでは単記移譲式投票が導入されており、シン・フェイン党は159席中42人しか候補に立てていないため、次期下院の最大政党になる可能性はない。

 しかし、医療や住宅政策で選挙運動を繰り広げてきたシン・フェイン党は、選挙での躍進を祝福し始めている。メアリー・ルー・マクドナルド(Mary Lou McDonald)党首はツイッター(Twitter)に、「最も多くの票を獲得し、正式に選挙に勝った」と投稿した。

 開票作業は10日も続く予定で、投票結果の確定に2〜3日かかるとみられている。

 アイルランドではこれまで、統一アイルランド党と共和党が伝統的に交代で政権を担ってきた。

 次期政権に複数政党の連立が必要であることが明らかとなり、各党首らは交渉モードに入っている。(c)AFP/Joe STENSON