【2月10日 AFP】 「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ北東部で猛威を振るっているバッタの大群が9日、ウガンダに襲来し、政府は緊急閣議を開いて対応を協議した。

 北東部カラモジャ(Karamoja)地方の担当相によると、9日にケニアからバッタが襲来したのを確認したという。

 大発生しているのはサバクトビバッタで、通常は群れをつくらない。だが、幾つかの条件が重なると大量繁殖して巨大な群れとなり、農作物を荒らし、飢饉(ききん)の原因になる。

 今回の大発生では既にケニア、エチオピア、ソマリアで食料難が起きており、ソマリアは今月、農作物が壊滅したとして国家非常事態を宣言した。国連食糧農業機関(FAO)は、過去25年で最悪の状況だと指摘している。

 バッタの群れは、エチオピア東部で発生し、ソマリア北部を通ってウガンダに襲来した。FAOは、現時点では地域全体に影響を及ぼす「大発生」レベルだが、状況がさらに悪化し1年以上にわたって被害の拡大を食い止められなければ、「蝗害(こうがい)」になると警鐘を鳴らしている。

 これまでにサバクトビバッタによる「蝗害」は20世紀に6回あったことが記録されており、前回は1987~89年。「大発生」は2003~05年以来となる。(c)AFP