【2月10日 AFP】英国とアイルランドを含む欧州北部各地は9日、猛烈な風と雨を伴う嵐「キアラ(Ciara)」に襲われ、交通の乱れや停電、スポーツイベントの中止などの影響が出た。フランス、ベルギー、オランダ、スイス、ドイツも悪天候に見舞われ、空の便が多数欠航した。

 最大規模の強風に見舞われたウェールズ北西部リン(Llyn)半島アバルダ―ロン(Aberdaron)では、風速41.7メートルを記録。またイングランド北西部にある湖水地方国立公園(Lake District National Park)では、24時間で150ミリ以上の降雨が観測された。

 鉄道各社は運行本数を減らし、減速運転を行うなどのほか、乗客に鉄道の利用を控えるよう呼び掛けた。

 イングランド東部にあるサンドリンガム(Sandringham)離宮に滞在しているエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は、強風のため日曜礼拝への出席を見送った。

 ドイツのいくつかの空港では、北から吹き込んだ強風で複数のフライトが欠航。ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)は北西部各地で長距離運行を中止したほか、国内各地でも運行を制限すると発表した。

 一方で、英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)のニューヨーク発ロンドン行きのボーイング(Boeing)747型機は、「キアラ」の追い風を受けて過去最短のフライト時間を達成した。

 同機はケネディ空港(John F. Kennedy International Airport)を出発し、ロンドンにグリニッジ標準時(GMT)9日午前6時25分(日本時間同日午後3時25分)に到着予定だったが、予定より102分早いGMT午前4時43分(日本時間午後1時43分)に到着した。(c)AFP