【2月9日 AFP】ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が7日発表した1月の北部アマゾンの森林破壊面積は、前年同月比108%増の280平方キロ超と1年前の約2倍に拡大した。1月の森林破壊面積としては、データ収集が開始された2015年以降で最大だとしている。

 このデータは人工衛星を用いて森林破壊をリアルタイムで監視するシステム「DETER」で収集された。1月の破壊面積は19年が136平方キロ、18年は183平方キロ、17年は58平方キロだった。

 INPEが1月中旬に発表した19年の破壊面積は9166平方キロと、前年(4946平方キロ)から85%増え、少なくともここ5年で最大となった。こうした急拡大は、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が就任1年目に広大なアマゾン熱帯雨林の開発規制を緩和した時期と重なっている。

 ボルソナロ氏は5日、アマゾン熱帯雨林の先住民の土地を鉱物採掘や農業、水力発電といったプロジェクトに開放する包括的計画を発表。多数の非政府組織(NGO)から、これが実施された場合には森林破壊が一段と悪化するとの声が上がった。

 この計画に関する法案は極右ボルソナロ氏にとって「夢」である一方、環境保護活動家や先住民の部族指導者にとっては「悪夢」となっている。法案は議会でまだ承認されていない。(c)AFP