【2月8日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の伝説的選手コービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏ら9人が犠牲になったヘリコプター墜落事故に関して、同国の運輸安全委員会(NTSB)は7日、機体の残骸からはエンジンに欠陥があったことを示す証拠は何も発見されなかったとする予備報告書を公表した。

 ブライアント氏と同氏の13歳の娘ジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さんら9人は先月26日、乗っていたヘリコプターがロサンゼルス西部カラバサス(Calabasas)の険しい丘の中腹に墜落して亡くなった。

 NTSBは、「ヘリコプターの主要部品は、残骸エリアからすべて見つかった」「機体のメインローターとテールローターの組み立ての状況は、衝突の瞬間まで回転翼に動力が伝わっていたことと一致する」としており、「エンジンの可視部分からは、アンコンテインド・フェイラーもしくは致命的な内部欠陥の証拠は何も見当たらなかった」という。

 今回の報告書は捜査の途中経過がまとめられたもの。最終報告書で衝突の原因が特定されるまでは、少なくとも1年はかかる見通しとなっている。NTSBと関係各局は、事故当日の午前中に発生した濃霧との因果関係について検証を進めている。

「当委員会の捜査官はすでに、この悲劇的な事故の状況に関する相当量の証拠を突き止めている」「われわれは事故の原因に加えてそれに寄与した要因を特定し、このような事故の再発を防止するための安全対策を提示できると確信している」

 報告書には、事故が起きたサンタモニカ山脈(Santa Monica Mountains)で撮られた写真が含まれている。その一つは現場近くにいた目撃者1人が撮影したもので、もう一つはセキュリティーカメラが捉えた、雲に向かって飛んでいるヘリコプターの機影だという。

 また、マウンテンバイクで山道を走っていた時にヘリコプターが近づいてくる音が聞こえたとする別の目撃者の証言も載せられた。雲から青と白のヘリコプターが現れたのを見たと言い、前進しながら降下し、約2秒後に墜落したと語っている。(c)AFP