【2月7日 AFP】サッカースペイン国王杯(Copa del Rey 2019-20)は6日、準々決勝が各地で行われ、FCバルセロナ(FC Barcelona)はアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)に、レアル・マドリード(Real Madrid)はレアル・ソシエダ(Real Sociedad)にそれぞれ敗れ、強豪2チームがそろって姿を消すという波乱があった。

 ホームのレアルがソシエダとの乱打戦に3-4で敗れると、敵地サン・マメス(Estadio San Mames)に乗り込んだバルセロナも、93分にイニャキ・ウィリアムス(Inaki Williams)にヘディングを決められ、これが決勝点となった。

 バスク(Basque)の2チームによる番狂わせは、驚きに満ちた今季の国王杯にさらなる興奮をもたらした。ビルバオとソシエダは、2部のミランデス(CD Mirandes)とグラナダ(Granada CF)に続く勝ち上がりとなり、7日に行われる組み合わせ抽選会には見慣れぬ顔ぶれが出そろった。

 ウィリアムスは「驚きの結果がいくつかある」とコメントした。「信頼し、勇気を持たなければいけないときもある」

 リオネル・メッシ(Lionel Messi)がエリック・アビダル(Eric Abidal)スポーティング・ディレクター(SD)に反論して関係を悪化させ、太ももの肉離れでウスマン・デンベレ(Ousmane Dembele)が離脱して今季絶望になる可能性も浮上するなど、大荒れの1週間となっていたバルセロナにとって、この黒星は特に痛みを伴うものとなった。

 さらに悪いことに、後半にはDFジェラール・ピケ(Gerard Pique)が負傷して途中交代となり、9日に予定されているレアル・ベティス(Real Betis)とのリーグ戦に出場できるかは不透明となっている。

 前指揮官のエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)氏が先月解任されたのは、選手に原因があるというアビダルSDのコメントに対し、メッシが「誰もが自身の行動や発言の責任を負わねばならない」と反論したことは、バルセロナがピッチの外で混乱状態に陥っていることを意味している。

 さらには、メッシが現在の契約に含まれている移籍金なしで退団できるという条項を行使することで、今夏に移籍してしまうかもしれないという恐れすらある。

 バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長は、「われわれは勝ち上がるに値した」と振り返った。「だが、私がピッチ上で目にした野心や姿勢は、リーグ戦や欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)に向けて勇気づけられるものだった。成功は訪れ得る」

 一方、ローテーションしたリーグ首位のレアルは、たとえ直近11試合の総失点と同じ4失点をこの日69分までに喫したとしても、今回の黒星による被害は小さいのかもしれない。

 レアルからのローン移籍中ながら、出場が認められたマルティン・ウーデゴール(Martin Odegaard)が先制点を挙げると、アレクサンデル・イサク(Alexander Isak)が2ゴールをマークし、ソシエダは3-0とリードした。

 レアルは終盤、マルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)とロドリゴ(Rodrygo Silva de Goes)に得点が生まれたが、ミケル・メリーノ(Mikel Merino)に4点目を決められた。

 その後、ナチョ(Jose Ignacio Fernandez Iglesias 'Nacho')のヘディングで1点差に迫ったが、最後の3分間はアンドニ・ゴロサベル(Andoni Gorosabel)が退場になるなど荒れた展開となった。

 10人のソシエダが金星を挙げて準決勝に駒を進めたのに対し、レアルの国王杯での無冠は6年に伸びた。

 レアルのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は、「こたえる。正直にならねばならない、誰だって負けるのは好きじゃない」と語った。

 レアルにとってせめてもの慰めは、15歳でチームと契約し、その後期待通りの成長を見せつつある21歳のウーデゴールが披露したパフォーマンスだったかもしれない。

 ウーデゴールはあと1年ソシエダに残る予定だが、途中交代の際にレアルのファンからスタンディングオベーションを受けるなどしたその輝かしいパフォーマンスは、ローン元への早期復帰を促すことになるかもしれない。(c)AFP