【2月6日 AFP】世界保健機関(WHO)は5日、新型コロナウイルスの流行を受けて、総額6億7500万ドル(約740億円)の資金を援助するよう各国に呼び掛けた。集まった資金は、特に感染リスクが高いとされる国々のために、主に投資という形で使われるとしている。

 スイス・ジュネーブで記者会見したWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、「われわれはきょう、戦略的な対策・対応計画を開始する。(中略)われわれは同計画の資金として、今後3か月間で6億7500万ドルの資金援助を求める」と表明した。

 テドロス氏は「国際社会に対するわれわれのメッセージは、きょう投資せよ、さもなくば後でより多くの代償を払わされることになる、というものだ」と説明。さらに6億7500万ドルという金額は「今、対策に投資しないために将来われわれが支払わなければならなくなる額よりもはるかに少ない」と述べた。6000万ドル(約66億円)はWHOの運営費に充てられ、残りが新型コロナウイルス対策で支援を必要とする国々に支給されるという。

 また同氏は、WHOはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)とガーナの首都アクラにある備蓄施設から通常のマスク50万枚、レスピレーター(高性能マスク)4万枚を24か国に発送しているところだと説明した。

 慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)」は同日、テドロス氏の記者会見に先立ち、ウイルス試験や治療、ワクチン研究のために1億ドル(約110億円)を寄付すると発表していた。テドロス氏は会見でこのことに触れ、称賛した。(c)AFP