【2月5日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は4日、中国の強力な措置により、新型コロナウイルスの海外での大幅な拡大が回避されたとし、世界には感染を食い止める「好機」が生まれているとの考えを示した。

 テドロス氏はその一方、新型ウイルス感染者のデータ共有で「大幅な後れ」を取っている富裕国の政府を批判し、さらなる団結を呼び掛けた。

 スイス・ジュネーブでのWHO執行理事会への説明でテドロス氏は、「(新型コロナウイルス)感染者の99%は中国国内で、その他各国における感染者はわずか176人のみだ」と指摘。「これは今後、悪化する可能性がないことを意味するものではない。だがわれわれには行動するための好機があることは確かだ(中略)。この好機を逃さないようにしよう」と呼び掛けた。

 テドロス氏はまた、中国国外の感染者について、WHOは完全な症例報告書を38%しか受け取っていないと指摘。「高所得国の中には、不可欠なデータのWHOとの共有で大幅な後れを取っているところもある。こうした国に対応能力が欠けているのが理由とは思わない」との見解を示した。

 同氏は「より良いデータがなければ、われわれが流行の動向や今後もたらし得る影響について評価を下すことも、確実に最適な勧告を出すことも非常に困難だ」と述べた。(c)AFP