【2月5日 CNS】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国は全力でマスク生産に取り組んでいる。現時点で、生産能力は60%まで回復したが、N95医療用マスクは1日当たり60万枚しかなく、なるべく第一線で働く医療関係者のために確保すべきといわれている。

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 中国・工業・情報化部の消費品工業司の曹学軍(Cao Xuejun)副司長の説明によると、先月21日に国務院の新型肺炎に関する共同予防抑制態勢を立ち上げて以降、全力でマスクの生産回復に努めてきたが、春節(旧正月、Lunar New Year)休暇と感染拡大が重なるという特殊な時期に当たり、適時に生産回復をすることが難しい状況だ。現時点で把握できている情報によると、現在の生産回復率は約60%、1日当たりの生産能力は1000万枚超とされる。

 現在、マスク生産能力は上昇している。河南省(Henan)新郷市(Xinxiang)にある14社のマスク企業は全て生産が回復し、そのほかの地域でも相次いで回復しつつある。曹副司長は、市場供給は改善されていくとしている。

 主な原材料である高MFRのポリプロピレン繊維について、工業情報化部の原材料工業司の王偉(Wang Wei)司長は、国内の生産能力は十分としている。2019年の国内生産量は約90万トンで、1トン当たり使い捨てマスクであれば90万枚から100万枚、N95医療用マスクの場合は20万枚から25万枚となる。

 説明によると、N95は米国のろ過効率の基準を指し、工業用防じんとPM2.5防止に使われ、実際は2種類の製品に対応している。一つは防じん用N95マスク、もう一つはろ過効率が95%の医療用防護マスクだ。医療用防護マスクへの品質基準は高く、防護機能だけでなく、製造環境や企業の総合能力にも厳格な基準が定められている。曹副司長によると、現時点でこの種の製品の生産能力は1日当たり60万枚。

 先ごろより、多くの専門家がN95マスクを第一線の医療関係者に優先的に使わせるべきと提唱している。王偉司長によると、集中治療室以外でN95マスクをすることは一種の浪費だという。集中治療室の外では普通の医療用マスクで十分としている。(c)CNS/JCM/AFPBB News