【2月4日 AFP】米上院で開かれているドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の弾劾裁判は3日、最終弁論が行われ、検察側の野党民主党が「何びとも法の上にはない」としてトランプ氏を追及したのに対し、ホワイトハウス(White House)の弁護団は無罪であることは明らかだと主張した。評決は5日午後4時(日本時間6日午前6時)に行われる予定。上院は共和党が多数を占めているため、無罪評決は確実だとみられている。

 2週間にわたった弾劾裁判の最終陳述に立った首席検察官役の民主党アダム・シフ(Adam Schiff)下院議員は、「この大統領が正しい行いをするとは皆さん、信じられないでしょう」「彼が変わることはない、それを皆さんご存じだ」「厳正な裁きを下し、彼を有罪とする時だ」などと述べ、感情に訴える弁論を行った。

 一方、ホワイトハウスの弁護団は、トランプ氏の権力乱用や議会妨害の罪を全面的に否定した。弁護団長を務めるパット・シポローニ(Pat Cipollone)大統領顧問は「大統領は誤ったことは何一つしていない」とトランプ氏を擁護。民主党が多数を占める下院がトランプ氏を弾劾訴追したことで行われた今回の裁判は「純粋に党派的、政治的」なものだったと断じた。

 弁護団に加わっていたトランプ氏の個人弁護士ジェイ・セキュロー(Jay Sekulow)氏は、「つまりは大統領に反対する人々が大統領を嫌い、彼の政策も嫌っているというだけのことだ」と述べた。

 上院(定数100)の勢力分布は共和党53議席、民主党47議席となっているが、大統領の罷免には3分の2以上に当たる67人以上が有罪と判断する必要がある。(c)AFP/Chris Lefkow