【1月30日 AFP】米ホワイトハウス(White House)がジョン・ボルトン(John Bolton)前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に、出版予定の著書は機密情報を含んでいるため出版してはならないと伝えていたことが分かった。この警告はボルトン氏の弁護士に宛てた1月23日付の書簡で伝えられていたが、トランプ氏の弾劾裁判で緊張が高まる中、29日に初めて明らかになった。

 ボルトン氏の出版予定の著書「The Room Where it Happened(仮訳:それが起こった部屋)」には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に不利な記載があると報じられている。

 報道によると、ボルトン氏はこの本の草稿に、対ウクライナ軍事援助の凍結は民主党の有力大統領候補者ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の調査を開始するようウクライナに要求したことと直接的な関連があると、昨年8月にトランプ氏から直接聞かされたと書いていたという。

 米国家安全保障会議(NSC)は、この本の草稿の事前審査の結果、「相当量の機密情報」が含まれていることが分かったと表明した。本を出版するホワイトハウスの職員は全員、事前審査を受ける必要がある。NSCはボルトン氏の弁護士、チャールズ・クーパー(Charles Cooper)氏宛ての書簡で、「最高機密レベルの情報も含まれていた」と指摘。「この機密情報を削除することなく、この草稿を出版あるいはその他の方法で公開してはならない」と伝えた。

 ボルトン氏の大統領補佐官在時代の回想録である同書をめぐっては、トランプ氏の権力乱用の罪を裏付ける内容だと報じられており、民主党は上院で行われているトランプ氏の弾劾裁判にボルトン氏を証人として呼ぶようよう求めている。

 NSCの書簡が明らかになる数時間前、トランプ氏はツイッター(Twitter)にボルトン氏の著書は「卑劣な虚偽の本。すべて国家安全保障上の機密」だと書き込み、ボルトン氏を批判していた。(c)AFP