【2月4日 AFP】世界保健機関(WHO)は4日、予防と治療のための資金不足により、低中所得国では2040年までにがん患者が81%増加すると警告した。

 世界対がんデー(World Cancer Day)に合わせ発表された報告書でWHOは、低中所得国は限られた資金をがん対策ではなく、感染症対策と母子の健康促進に集中して投じていると述べた。

 WHOの任明輝(Ren Minghui)事務局長補は報告書で、「がん対策において富裕国と貧困国との間には容認できないほどの格差が存在しており、これはその問題に取り組むべきだという警鐘だ」と述べている。

 また、世界全体のがん患者数は2040年までに60%増加する見込み。さらに、がんによる死者の25%はたばこが原因だと報告書は指摘している。

 WHO傘下の「国際がん研究機関(IARC)」のエリザベーテ・ウェイダーパス(Elisabete Weiderpass)局長によると、高所得国では高度ながん治療により00~15年のがんによる死亡率は20%減少したが、貧困国では5%の減少にとどまっている。

 がんは長年、高所得国の疾病だと考えられてきたがもはやそれは当てはまらず、全世界で5人に1人は生涯のうち1度はがんにかかる可能性があると報告書は指摘している。(c)AFP