【2月4日 AFP】香港当局は3日、新型コロナウイルスの拡散を抑制するため、中国本土との出入境地点を2か所を除き閉鎖すると発表した。香港では医師らが、境界の完全封鎖を求めてストライキに突入した。

 香港ではこれまでに、新型肺炎の感染者15人が確認されている。その大半が、流行が始まった中国本土で感染していた。

 香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は3日午後、橋2か所を除いた陸路の出入境地点すべてが4日午前0時に閉鎖されると発表した。

 除外されるのは、香港と深セン(Shenzhen)を結ぶ橋と、香港と珠海(Zhuhai)およびカジノで有名なマカオ(Macau)を結ぶ橋だという。

 また世界で最も利用者数が多い空港の一つである香港の空港は、中国本土在住者も引き続き利用できる。ただ流行が始まった湖北(Hubei)省の住民に対しては、既に制限が設けられている。

 香港と中国本土との出入境地点は、先週4か所が閉鎖された。林鄭長官は今回の新たな閉鎖措置について、中国本土からの人の流入数を減らし、この出入境地点2か所と空港にリソースを集中させることが可能になると説明している。

 だが2003年には、香港でも300人近くが死亡した重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行が、当初は中国政府によって隠蔽(いんぺい)されていたことから、過去から続く本土への不信感を背景にして、境界の完全封鎖を求める声は強まっている。

 3日には、医療従事者ら数百人が5日間のストに入った。(c)AFP/Jerome TAYLOR