■サプライチェーン

 マクリーンさんは、欧州各地から木材を入手している──スイス・アルプス(Alps)からスプルース、クロアチアやルーマニアからメープル。その他、インドやイタリアからはフィッティング、米国からはニスを輸入している。

 サプライチェーンとしての規模は決して大きくはないが、それでもすでにブレグジットの不確実性の影響が見られるという。

「年3回、木材を取り扱う業社数社が工房を訪れ、私は在庫の中から、一番好きな木材を選んでいた」「(だが今後は)もう来てはくれないだろう。ブレグジットでよりコストがかかるようになる」

 そして、木材を調達するために自ら海外に出向かなければならなくなるだろうと付け加えた。

■新たな崖っぷち?

 EUは、20年末までに貿易交渉がまとまらなければ、また「合意なき離脱に似た状態」となることへの懸念が浮上すると警鐘を鳴らしている。これは、英国が移行期間の延長を拒否しているためだ。

「もし合意がなければ、平常通りビジネスを続けることもできず、現状維持というわけにもいかない」「特に貿易に関しては、崖っぷちのリスクに直面しなければならない」とバルニエ首席交渉官は警告した。

 ブレグジットについてボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は、これを実現させるという公約を果たしたとしている。だが、北アイルランドにとっては「未知への第一歩」でしかないとマクリーンさんは語っている。(c)AFP/Joe STENSON