【2月3日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)の男子シングルスで、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れて準優勝となったドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が、いわゆるビッグ3との差は「ほんの小さな部分」と話し、壁を破る日は近いと自信を口にした。

 大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)ら4人のシード選手を倒し、自身過去最高の全豪オープンを戦ってきたティエムは、自信を持って決勝に臨むと、セットカウント2-1と四大大会(グランドスラム)初優勝に迫っているかに見えたが、そこから経験で勝るジョコビッチの粘り強い逆襲に遭い、ナダルに敗れた過去2回の全仏オープンテニス(French Open)に続いてまたしてもビッグタイトルには手が届かなかった。

 それでも26歳のティエムは、自身やダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)らが、ジョコビッチ、ナダル、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)という男子テニスを支配する3強に挑戦できていることに手応えを感じている。

 ティエムは昨年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2019)でメドベージェフがナダルと5セットの激闘を繰り広げたことも指しながら、「ほんの小さな部分の差だと思う。全米も今回も、ここ2大会の決勝は本当に接戦だった。全米はダニール、そしてここでは僕が勝ってもおかしくなかった」と話した。

「必要なのは、ほんの少しの幸運と、いろいろな部分のディテールだ」「第4セットのあのブレークポイントを取れていれば、僕はここに勝者として座っていたかもしれない」

「とにかくこれからも頑張るだけだ。僕も、他の若手も、グランドスラムを取れるポテンシャルは間違いなくある」

 今回、全豪オープンで初の決勝進出を果たしたティエムは、過去には球足の遅いクレーコートが得意な選手という見方をされていたが、この1年間でハードコートでも大きな成長を遂げたことで、現在はツアー屈指の強豪との評価を得ている。

 昨シーズンのBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2019)でフェデラーを破って優勝したことがハードコートでのターニングポイントになったティエムは、この全豪からもたくさんの教訓が得られたと話している。

「簡単な試合はなく、特に準々決勝以降は厳しかった。(ベスト8では)4時間以上かかってラファ(ナダル)を倒し、2日後にはサーシャ(ズベレフ)とまた激闘になった」「信じられないほど激しい接戦だった。それからまた2日後に今度はノバク戦だ。彼はここで一番勝っている選手で、やっぱりとてもハイレベルな試合になった」

「今の自分には、かなり高いレベルのプレーを続けてグランドスラムを戦い抜けるという確かな自覚がある。このあと待っている次の大きな大会に向けて、とても大きな自信になった」 (c)AFP