【1月31日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)は30日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は6-7(1-7)、4-6、3-6で第2シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れた。

 世界ランク3位のフェデラーは、テニス・サングレン(Tennys Sandgren、米国)との準々決勝が7度のマッチポイントをしのぐ激闘となる中で股関節を痛め、ジョコビッチに勝てるチャンスはたった「3パーセント」にすぎなかったと認めた。

 四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るフェデラーは、今回は無念の敗戦となったとはいえ自分の実力に対する自信は揺るぎなく、引退する予定はまったくないという。また、これからもグランドスラムで優勝する自信があるか問われると、「イエスだ。そう信じている」「昨年の成績に加えて現在の自分の調子やプレーをふまえると、そう感じていることは間違いない」と答えた。

 昨年は全仏オープンテニス(French Open 2019)で4強入りを果たし、ジョコビッチとのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)決勝ではフルセットの激闘に末に惜しくも準優勝となったフェデラーは、2021年も全豪オープンに再び出場し、通算7度目の大会制覇を目指したいとしている。

「これから何が待ち受けているかは分からない。特に自分の年齢では未確定だ」「自信はある。手応えに満足していると心から言えるし、トレーニングのメニューもしっかり、きちんとこなせている。引退する予定はまったくない」「そうした観点でこれから数年の成り行きを見守りつつ、家族との生活もどうするか決めていく。まずはそこからだ。もちろん、また戻れることを願っている」

 フェデラーはこの日、試合前のメルボルンパーク(Melbourne Park)で右脚の上部にテーピングをしている姿が目撃され、ジョコビッチ戦を棄権するのではという臆測が流れていた。しかし、そうした性分を持ち合わせていない38歳は、20年以上もの長いキャリアで試合前に棄権を申し出たことはわずか4回で、これまで1500試合以上をこなす中で途中棄権をしたことは一度もない。

■「きょうはひどかった」

 フェデラーによれば、サングレン戦を終えて1日休養を取り、準決勝に向けてのウオームアップもほとんどできなかったものの、少なくともジョコビッチと互角の勝負に持ち込める手応えはあったという。

「自分のプレーを振り返ってみると、きょうはひどかった。入場と退場の際には温かい声援を受けたけれど、勝てるチャンスは3パーセントしかなかったその間の試合は記憶から消し去りたいものだった」「不満が残っている。(しかし)勝てるチャンスがまったくないまま、コートに出て行ったとは思っていない。そうした中でも試合では自分の力を出せた」

「彼(ジョコビッチ)がどう感じているかは誰にも分からない。彼が素晴らしいプレーヤーであることは、誰もが承知している。相手にボールを打たせることに加えて、サーブとリターンに優れ、よく動いている。精神的にもタフな選手だ」

 フェデラーはまた、けがの状態は深刻なものではないという認識を示し、「試合開始のときより悪化しているという感じはなく、そのことはとてもうれしいし、かなり勇気づけられる。とりあえず、この状態から様子を見守り、もっと詳細な検査が必要かどうか見極めていく」と語った。(c)AFP/Martin PARRY