【2月2日 AFP】中国で新型コロナウイルスが流行している影響が、スポーツ界に拡大している。世界最多の人口を誇る中国は、スポーツの国際大会の開催地としてもこのところ存在感を高めていたため、ウイルスの影響による中止や延期が2020年のスポーツカレンダーに大混乱を生じさせている。

【解説】新型コロナウイルスの流行はどのくらい深刻なのか?

 ウイルスに対する懸念から、すでに中国では国内サッカーの開幕が延期になり、AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2020)に出場する4クラブのホームゲームがすべてグループリーグの後半戦に変更となった。サッカー女子の東京五輪予選も、武漢(Wuhan)から南京(Nanjing)、最終的には豪シドニーへ会場が移った。

 東京五輪関連では、他にバスケットボール女子とボクシングの予選がすでに他国での開催に変更。陸上の世界室内選手権(World Athletics Indoor Championships Nanjing 2020)とバドミントンの中国マスターズ(Lingshui China Masters 2020)は延期され、ゴルフの米国女子ツアーは大会中止になり、アルペンスキーW杯のレースはオーストリア開催に変更となった。

 そして、今後も影響を受けそうな大会が複数ある。

■フォーミュラワン/フォーミュラE

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)では、4月17日から19日にかけて上海で中国GP(Chinese Grand Prix 2020)が予定されており、あまたのファンが訪れることが予想される。統括団体の国際自動車連盟(FIA)は、今後も状況を注視していくと話している。

 電気自動車で争うフォーミュラEも、3月21日に海南島(Hainan Island)で大会が行われる予定で、こちらも主催者が状況の進展を日々チェックすると話している。

■サッカーW杯予選

 サッカーでは、W杯カタール大会(2022 World Cup)のアジア2次予選が3月末に行われ、中国代表は同26日にホームでのモルディブ戦、同31日にアウェーでのグアム戦が予定されている。国内リーグはすでに延期が決まっているが、代表戦については後ほど決定するとだけ発表されている。

■レスリング

 レスリングは3月27~29日に東京五輪のアジア予選が西安(Xi'an)で予定されているが、中止になる可能性があり、世界レスリング連合(UWW)は近日中に発表すると話している。

■バドミントン

 バドミントンではすでに中国マスターズの延期が決まったが、主催者によれば、アジア選手権(Badminton Asia Championships 2020)も4月の武漢開催が危ぶまれているという。

■スポーツ会議

 他にはスポーツの総合国際会議「スポーツアコード(SportAccord 2020)」が4月19~24日に北京で開催される予定となっている。スポーツアコードは、各国際スポーツ団体の会長や、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長ら、五輪運動の中心人物が一堂に会する会議。主催者は、中国当局と世界保健機関(WHO)の渡航に関する勧告に従うと話している。(c)AFP