【2月4日 CNS】中国・工業情報化部の苗圩(Miao Wei)部長は先ごろ、「中国のマスクの最大生産能力は1日当たり2000万枚を超える」と発言した。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスクの品切れ状態が続いている。

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 感染拡大後、浙江省(Zhejiang)、上海市、山東省(Shandong)などでマスクの生産能力調査が行われた。データを単純に足すと、1日当たり約1730万枚となる。

 浙江省建德市(Jiande)のマスク企業の経営者によると、世界最大の工業国である中国には、世界で最も豊富な工業体系があり、最速生産が可能という。工場の生産ラインは、不織布のロール材の切断、折り重ね、ひもつけなどの工程を経て製品とするまで全て自動化している。1台の機械の生産数は通常、1分当たり100枚を超える。

 上海市経済情報化委員会によると、今回の品切れ状態の原因は、春節(旧正月、Lunar New Year)休暇で工場の生産が止まったことだという。企業の大部分は生産を停止して休暇に入り、労働者も帰省し、原料供給や物流も止まった。また、臨時に労働者を呼び寄せたとしても、生産が回復するまでには一定の時間がかかり、マスクができてから消費者の元に届くまでには、多くの段階を経なければならない。原料供給や物流なども制約を受ける要素だ。

 このほか、感染対策の必要性により、大量のマスクが優先的に湖北省(Hubei)の医療現場に送られており、ネット通販や店舗で需給が逼迫(ひっぱく)しているということもある。

 さらに、マスクは一種の消耗品といえる。どんな種類のマスクでも使用期限があり、専門家は4時間に1回の交換を勧めている。汚染したら即交換しなければならないため、需要量は急激に上昇する。

 今回のように、全国的にマスクの需要が爆発的に増えると需給バランスが崩れ、短期的に供給が需要に追い付かないことはあり得るとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News