【2月2日 CNS】「まず感染しないことで同僚を守り、自身を守ることができれば、患者さんを救うことができる。頑張れるように、髪を切る決心をしたのです」――武漢大学(Wuhan University)人民医院・神経内科のベテラン看護師の單霞(Shan Xia)さん(29)は、2人の子どもの母親だ。

 單さんは、新型コロナウイルスによる肺炎の流行と闘う日々の中で、丸刈りの自撮り画像をSNSにアップ。多くの人が仕事に向き合う真剣さと勇気に感心したと書き込んだ。單さんの行動から、病気に打ち勝つ希望が見えてきたと書き込んだ人もいた。

 丸刈りにした経緯について、單さんは1月25日、発熱患者の集中治療部門での勤務を指示され、翌26日深夜に髪を切ったと話した。子どもらは「男の子みたい」と言ったという。

 單さんは「髪の毛があると帽子をかぶる時にすごく不便だし、防護服を着る時も不便。髪の毛がはみ出てしまうのです。髪の毛がないほうがいいじゃないと思いました。夜に帰宅し、ハサミでばっさりと切って、バリカンで仕上げました」と話す。

 SNSで友人に向けて書き込んだ文章には、「もともと、年を越す前に髪形を変えようと思っていたの。まさか本当に願いがかなうなんて。予想した髪形とは違うけど…友達や家族は、新しい髪形を見て表情が暗くなったけど。大丈夫です。髪はまた生えてくるから。今大切なことは、自身を守ることと、一人でも多くの人を救うことです」とある。

 この数日、單さんを取材しようと多くのメディアが病院に申し込んだが、断られている。理由は、單さんの仕事が非常に多忙で時間が取れないことと、彼女にとってこの件は重要ではなく、過度な宣伝は必要ないと考えているからだという。單さんは、多くの医療関係者の苦労と努力に比べれば、頭を丸めることなど何でもないと強調した。

 同院の広報部門の責任者によると、発熱患者の集中治療部門の改造工事は完了し、單さんの新たな最前線での仕事が始まる。(c)CNS/JCM/AFPBB News