【2月3日 CNS】中国・湖北省(Hubei)の武漢大学(Wuhan University)中南医院の一般病棟で1月28日、呉さん(53)はスマホで、家族に退院の手続きをする話をした。呉さんは23日前、新型コロナウイルス感染による肺炎の重症患者と診断され、一時は生死の淵をさまよった。

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 湖北省黄岡市(Huanggang)の副食品市場で家禽(かきん)を扱っている呉さんは「自分は武漢の華南海鮮市場(Huanan Seafood Wholesale Market)に行ったことはありません。ただし、私の働くマーケットで海鮮を扱っている店が、ずっと市場から仕入れていました。よく見知った間柄でいつも行き来していました」と話す。

 2019年12月20日、呉さんは悪寒がし、風邪を引いたと思った。「毎日午前に仕事を終えて、午後は家に帰って休憩しますが、その日は掛け布団を3枚使ってもまだ寒いと感じました」。いたって健康だったという呉さんはこう振り返る。現地の病院で点滴を3日間受けたが、病状は一向に好転せず、レントゲンの結果、右の肺に感染の症状が確認された。その後さらに病状が重くなり、慌てた呉さんは救急車を呼んだ。

 2020年1月5日夜、救急車で武漢に向かった呉さんは武漢大学中南医院に入院した。

 呉さんは入院当時の様子について、「すでにベッドが不足状態で、普通病棟に入りました。7日に呼吸困難になって気管内挿管チューブ装着などの治療を受けましたが、病状は良くならず、熱が39.3℃まで上がりました」と語る。

 その後、病院はデータの総合判定の上で「体外式人工肺(ECMO)」治療を開始した。17日になって命の危険状態を脱し、レントゲンで肺機能が回復したと判定され、普通病棟に戻った。

 呉さんの体は今や全てが正常で、多少せきが残っている程度で完全に回復している。「新型肺炎でも慌てるな。自身の力を信じよ」「病気の間、家族や友人からの愛が自身を強くし、今や家族と団らんできるようになった。ほかの患者たちも早く回復してほしい」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News