【2月1日 AFP】欧州連合(EU)での47年間に幕を閉じ、3度にわたる延期を経て、英国は1月31日、EUから離脱した。英メディア各社は、国内の通りやパブで見られた人々と同じように、自由への喜びや、涙交じりの悲しみを表現した。

 右派大衆紙デーリー・エクスプレス(Daily Express)は、「立ち上がれ そして輝け…栄光の新たな英国」と報じた。

 2016年に行われた国民投票で離脱支持をたゆまず主張した大衆紙サン(Sun)は、離脱に伴うボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の演説の映像とともに、「ブリュッセル(EU本部)なき力」と報じた。

 一方でロンドンの夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)は、ジョンソン首相の同じ演説時の写真を用いて「多難な道になるだろう」との見出しで対抗した。

 英国の主要テレビ局は、政治的な論争や優柔不断により数年越しとなった31日夜の歴史的重要な瞬間を追った。

 衛星放送のスカイニューズ(Sky News)は速報で、「Farewell, au revoir, auf wiedersehen(順に英語、フランス語、ドイツ語で『さようなら』の意)」と伝えた。

 報道内容をめぐりブレグジット(Brexit、英国のEU離脱)への賛成・反対両派から非難の的となった英公共放送BBCは、ありのままに「ブレグジット:英国が欧州連合から離脱」と報じた。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は、「英国、ついにEUとの縁を切る」と報じた。

 一方、一部の新聞はこの機会を利用し、ブレグジットが巻き起こした熱狂に包まれたこの3年半を振り返った。

 伝統的に左派的な傾向が強い英紙ガーディアン(Guardian)も、歴史的な夜の歓喜と苦悶(くもん)を表現。「ブレグジットの日における悲喜こもごもの感情は、英国がまだ落ち着いた状態ではないことを示している」と指摘した。

 EU支持派の英紙デーリー・レコード(Daily Record)は31日、EU離脱を記念して発行された50ペンス硬貨に刻印された「平和、繁栄、そしてすべての国との友好」という言葉をもじって、「孤立、困窮、弱体化、そして分裂」と表現した。(c)AFP