【2月1日 AFP】(更新、写真追加)英国は1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)、欧州連合(EU)を離脱した。英国は、数年に及んだ激しい論争を経て、ほぼ半世紀にわたって維持してきたEU加盟国としての立場を捨て、歴史的な離脱を成し遂げた。EUから加盟国が離脱したのは初めて。

 英各地ではEU離脱(ブレグジット、Brexit)への賛成派、反対派がそれぞれ離脱への喜びや悲しみを表した。ロンドンの国会議事堂前の広場「パーラメントスクエア(Parliament Square)」では、離脱の瞬間に大勢の賛成派が歓声を上げ、英国旗を振った。

 英国在住のEU加盟国民約360万人を含む残留派は、厳粛な雰囲気の中、ろうそくに火をともしてこの瞬間を迎えた。

■「この国を一つにして、前に進める」ジョンソン首相

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は同日、英国のEUの1時間前に放送された演説の中で、50年近く共にあったEUとの「友好的な協力の新時代」を約束した。「一時的な問題」にぶつかる可能性を認める一方、EU離脱を「素晴らしい大成功」を収めるチャンスにすると断言した。

 ロンドンのダウニング街(Downing Street)10番地にある首相官邸で事前録音した演説の中で、ジョンソン氏は「今夜話すことで最も重要なのは、これは終わりではなく始まりだということだ」と述べた。

 さらに、「大勢にとって、これは驚くべき希望の瞬間であり、二度とないように思える瞬間でもある」「もちろん、不安感や喪失感を覚える人も多くいる」「そして、政治的論争全てが決して終わらないのではないかと懸念し始めた第三のグループもある。こういった人たちが一番多いのではないか」と続けた。

「こうした感情はどれも理解できる。政府としてのわれわれの仕事、そして私の仕事は、今こそこの国を一つにして、前に進めることだ」

 ジョンソン氏は、「これがEUとエネルギッシュな英国の間の友好的な協力の新時代の始まりとなることを望む」「解き放たれることを待っていたこの国の可能性を考えれば、このチャンスをつかんで素晴らしい大成功を収めることができると確信している」と述べた。(c)AFP/Alice RITCHIE, Joe JACKSON, Robin MILLARD, James PHEBY and Dmitry ZAKS in London, Pauline FROISSART in Morley, Stuart GRAHAM in Edinburgh and Joe STENSON in Bel