【2月1日 AFP】フランスのフィギュアスケート指導者ジル・ベイヤー(Gilles Beyer)氏は31日、世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)銅メダリストのサラ・アビトボル(Sarah Abitbol)さんからレイプと性的虐待を告発されたことについて、「親密」で「不適切な」関係だったことを認め、AFPの取材には「心から申し訳ない」と謝罪の言葉を口にした。

 現在62歳のベイヤー氏はコメント文を発表し、「彼女と親密な関係を結んだことを認識している」とすると、「そのときの正確な状況に関する私の記憶が彼女のものと違っていたとしても、自分の責任ある立場と彼女の当時の年齢からすれば、あの関係が不適切だったと認識している」と述べた。

 現役時代にはフランスの国内選手権で優勝経験があるベイヤー氏は、具体的にどのような性質の関係であったかというAFPの質問に対して、詳細なコメントは避ける形で、「あれは間違いだ。彼女にどれほどの害を及ぼしたか計り知れない。心から申し訳なく、サラ・アビトボルさんにおわびする」「そのことを理解しているとはいえ、頻繁に一線を越えていたあの数年の間に、私に話してくれなかったことは残念だ」と述べるにとどまった。

 2000年の世界選手権でペアの銅メダルに輝いたアビトボルさんは、先月発売された自身の回顧録で、15歳から17歳だった1990年から1992年にかけて元恩師のベイヤー氏からレイプと性的虐待の被害を受けていたと告白。

 今回のベイヤー氏の主張を知らされると、「あれは『不適切な関係』なんてものではなく、レイプです! 私は何も間違っていません」と仏週刊誌ロプス(L'Obs)に語った。

 ベイヤー氏はフランス代表コーチを務めた後、同国アイススポーツ連盟(FFSG)でチームディレクターの役割も果たした。(c)AFP