【1月31日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領から1990年代に性的暴行を受けたと訴えている米著名コラムニストのジーン・キャロル(E. Jean Carroll)さん(76)が30日、トランプ氏にDNAサンプルの提出を求めた。服に付着した遺伝物質と照合させるためだという。

 女性誌「エル(Elle)」で人生相談コラムを担当するキャロルさんは、1990年半ばにニューヨークの高級百貨店「バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)」の試着室でトランプ氏から性的暴行を受けたと主張している。不動産王として有名だったトランプ氏は、女性に贈る下着を買うのに助言がほしいとキャロルさんに頼んだあと、試着室で性的暴行に及んだという。

 一方、トランプ氏は告発内容を否定。議会専門紙「ザ・ヒル(The Hill)」とのインタビューで「この女性のことは何も知らない」「完全にうそをついている」などと反論し、「彼女は好みではない」と発言した。

 キャロルさんはこの発言で評判とキャリアを傷付けられたとして昨年11月、名誉毀損(きそん)でトランプ氏を訴えた。

 今回、訴訟手続きの一環でキャロルさんの代理人を務める弁護士が、トランプ氏のDNA検査を裁判所に要請した。キャロルさんが被害に遭った時に着ていた黒い服に付着していた「特定されていない男性」のDNAと照合するためだという。

 キャロルさんはツイッター(Twitter)に「服は検査済みだ。結果が出ている。私の代理人(@kaplanrobbie)は、トランプ氏(@realDonaldTrump)の代理人に同氏のDNAサンプルを提出するよう通告した」と投稿した。

 大統領就任前のトランプ氏の性的不適切行為を告発している女性は、キャロルさんを含めて少なくとも16人いる。トランプ氏は全ての疑惑を否定している。(c)AFP