【1月30日 CNS】中国で新型コロナウイルスによる肺炎の発生以降、17の国・地域で確定感染や疑似感染が相次いで発見されている。中国に対して多くの国が支援の手を差し出し、感染防止用物資を集めて、この闘いに助力している。

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■日本:武漢のために役に立ちたい

 大分市では27日、防災倉庫から3万枚のマスクが武漢市(Wuhan)に向けて出荷された。段ボールの上には中国語で「武漢加油!(がんばれの意)」と書かれていた。約40年前、大分市と武漢市は友好都市となっている。

 文化国際課の衛藤祐一課長は「武漢と連絡を密に取りながら、少しでも役に立ちたい」と話す。

 28日夜、マスクや防護服などの大量の支援物資を積んだ日本政府のチャーター機が武漢に向けて飛び立った。この援助は国際協力機構(JICA)により行われ、感染拡大防止を目的としている。

 このニュースを受け、多くの日本のネットユーザーは「みなさんが一日も早く回復されることを祈っています。武漢、ガンバレ!」と書き込んでいる。

■韓国:中国が必要な支援と協力に尽力したい

 韓国も、チャーター機で中国にマスク200万枚、防護服10万枚などの感染対策物資を提供するとしている。中国政府とさらに多くの支援計画について協議しており、中国が必要な支援と協力に尽力したいと強調している。

 韓国外交部の李泰鎬第2次官は28日、今回の支援活動を通して、困難な時期に置かれている中国の国民に対する韓国国民の気持ちを表したいと述べた。

 このほか、韓国の現代自動車(Hyundai Motor)は28日、1500万元(約2億3500万円)の援助物資を提供し、新型ウイルスとの闘いに助力すると発表している。

■オーストラリア:コロナウイルスとの闘いに重大な前進

 オーストラリアの科学者は、実験室の中で新型コロナウイルスのサンプル培養に成功し、世界中のコロナウイルスとの闘いの中で重大な前進となった。

 メルボルンにあるピーター・ドハーティ感染免疫研究所(Peter Doherty Institute for Infection and Immunity)は、世界で中国を除き、初めて実験室内で同ウイルスを再現させた。

 科学者チームはロイヤル・メルボルン病院(Royal Melbourne Hospital)の患者の検体を使ってウイルスの培養に成功。成果を世界保健機関(WHO)に提供し共有する。培養されたウイルスは、ワクチンの有効性の確認に用いられ、重要な役割を果たすことになる。

 中国のネットユーザーは、これらの国際的支援に対する感謝の言葉を書き込んだ。「最も困難な時にわれわれを支援してくださった皆さんのことを決して忘れません。ほんとうにありがとう!」 (c)CNS/JCM/AFPBB News