【1月30日 CNS】アリババグループ(Alibaba Group)の創業者馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏が設立した馬雲公益基金会(Jack Ma Foundation)が29日、新型コロナウイルスのワクチン開発に1億元(約15億7000万円)を寄付すると発表した。

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 寄付金は中国科学院(Chinese Academy of Sciences)と中国工程院(Chinese Academy of Engineering)にそれぞれ2000万元(約3億1400万円)が贈呈され、傘下の研究機関で取り組んでいるワクチン研究開発に使われる。残りは、中国内外の先端的な科学研究機関と研究員が、協力してウイルスの予防・治療のための業務を推進するために用いられる。

 ジャック・マー氏は「研究者の皆さんが、一分一秒でも早くワクチンを開発しようと努力していることはよく分かっている。しかし、開発から最終的に使用できるまでには時間がかかり、一朝一夕に成せることではない。ワクチンができる前に完全に抑え込めることを望んではいるが、人類と病毒の闘争は延々と続く長い道のりだ。長い道のりの中では、多くの忍耐と努力の積み重ねが必要で、また多くの自信と希望が必要だ。基金会は医療科学の発展と努力の積み重ねに対して、全力でさらに多くの支援をしていきたい」と語った。

 同時に、アリババグループは「公共科学研究機関に対し、今回のウイルスのワクチンと新薬の研究開発のため、必要な一切の人工知能(AI)演算能力を無償で開放する。全ての研究者と研究機関が力を合わせ、人材と物量を結集して、国民に自信を与え、さらに全人類に病気に打ち勝つ自信を与えることをアピールし、支持したい」という宣言を行った。

 アリババは先ごろ、10億元(約157億円)の医療物資供給のための専用基金を立ち上げ、また現場第一線で闘っている全国の医療従事者のため最高50万元(約784万円)の「健康保障金」を用意している。(c)CNS/JCM/AFPBB News