【2月4日 CNS】中国・青海省(Qinghai)の標高3300メートルの高地にある青蔵鉄道(Qinghai-Tibet Railway)西格線、哈爾蓋(Haergai)無人変電所で、人工知能(AI)ロボット「瓦力(ウォーリー、Wa Li)」が毎日パトロールを続けている。

「おはよう、ウォーリー」。中国鉄路青蔵集団(China Railway Qingzang Group)の西寧(Xining)電力供給データ分析センターが指示を出すと、ウォーリーは「頭脳」をフル回転させながら変電所の安全を確認する。

 多くの国民が帰省や旅行をする春節(旧正月、Lunar New Year)の時期、鉄道ダイヤは特別編成を組む。春節の15日前から春節後の25日までの交通量が多くなる「春運」期間のパトロールは、ウォーリーにとって今年は2回目。「ウォーリーがいるから、春運期間中も無人変電所の設備の安全と電力供給が確保できました」とデータ分析センターの舒夢美(Shu Mengmei)さんは話す。

 ウォーリーは青海チベット鉄道が初めて導入したAIロボットだ。センターからの操作もしくは自律的に変電所内の設備を監視し、写真や赤外線画像をデータセンターへ送信。メンテナンスの担当者たちが随時、異常がないか確認している。

 青海チベット鉄道沿線の無人変電所の大半は、天候が厳しく交通の不便な高原地域に位置している。以前はスタッフを毎月、無人変電所に派遣する必要があり、往復だけで2日間かかる上、作業効率も低かった。

「ウォーリーは毎日のパトロールで変圧器の接続、オイルゲージ、避雷針など460の主要部品の検査を行っています」と舒夢美さん。頼れる「守り神」は悪天候などの条件に左右されることなく、変電所の安全を支えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News