■ボルトン氏召喚の行方

 民主・共和両党は31日に、証人召喚の問題で採決を行うとみられている。昨年9月に解任されたボルトン前大統領補佐官が近く出版する著書の草稿で、トランプ氏の不正に関する直接的な証拠を明かしているとの衝撃的な報道があった。

 ボルトン氏は昨年8月にトランプ氏から、ゼレンスキー大統領が二つの調査の開始を発表するまでウクライナへの軍事支援約4億ドル(約440億円)を凍結する意向を聞かされたと繰り返し述べている。

 28日、トランプ政権の2人目の首席補佐官だったジョン・ケリー(John Kelly)氏は、「ジョン・ボルトンが著書の中でそう言っているならば、私はジョン・ボルトンを信頼する」と述べ、この件についてボルトン氏は信頼に足るとの考えを示した。

 53対47で共和党が多数派を握る上院で民主党が要求する証人を召喚するためには、共和党から4人の離反が必要だ。ボルトン氏の著書による暴露の後であれば、その条件を満たすことは可能にも見える。共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)上院議員は「われわれの他にも、ジョン・ボルトンの証言を聞くことが必要だと考える共和党議員が出てくるだろう」と述べた。

 複数のメディアが共和党筋の話として伝えたところによると、共和党のミッチ・マコネル(Mitch McConnell)上院院内総務は同党上院議員の非公開の会合で、証人喚問について民主党の要求を拒否できるだけの票はまだ集まっていないと述べ、民主党が求める証人が弾劾裁判に呼ばれることになるとの見方を示したという。

 また弾劾裁判で首席検察官役を務める民主党のアダム・シフ(Adam Schiff)下院議員は、ボルトン氏の召喚は公正な裁判を行う上で不可欠だと述べている。