■公共の宝くじを使ったノミ行為も

 山西省(Shanxi)大同(Datong)警察が摘発した賭博サイト「印象宝くじ」は、サーバーがフィリピン・マニラに置かれていた。ここではPK10と呼ばれる10の数字の配列を組み合わせるロト式の北京の公共福利宝くじなどのリアルタイムデータをもって勝敗の参考にする各種の賭博があり、そのエージェントが国内16省65市にちらばり、3か月に振り込まれる金額は3億8000万元(約57億円)にもなっていた。

 賭博のプログラムは、実際の北京や重慶(Chongqing)の公共福利宝くじのリアルタイムデータを使うが、倍率がずっと高く、しかも遊び方も多様なため、射幸心をあおりやすい。公共の宝くじサイトの一種のノミ行為であり、客の負け分がすべてサイトの利益となったという。

 一見国外の賭博サイトのようにみえるが、実際は中国人12人による犯罪集団が運営していた。もともとは電信詐欺グループでニセの身分で国外に拠点をつくり、さらにニセの身分情報、身分証明番号や銀行カードやSIMカードなどを「購入」し、サーバーを設置。高倍率をうたって、参加者やエージェントを増やしていた。

 経済参考報によれば、ネット賭博、電信詐欺、ポルノサイトなどの国外ネット犯罪は、本質的には同じモデルで運営されている。犯罪グループが上流と下流に分かれて連動し、いろいろなモデルを設計し、もっぱら国内の人々をターゲットにする。この種の犯罪行為は簡単だが、危害は大きい上に、まん延も早い。また、首謀者は捕まりにくく、証拠も見つかりにくいという。

 公安部の孫力軍(Sun Lijun)副部長によると、防止策を強化したところ、ネット賭博に流れ込む資金は減り、サイトを訪れるユーザーも減少。段階的に効果を上げたとしている。(c)東方新報/AFPBB News