■バスケ界の外からも哀悼のメッセージ

 悲しみはバスケットコートの外にも広がっている。

 フィリピンの英雄で、大のバスケ好きでもあるボクシングのマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)は、ツイッター(Twitter)に「世界はきょう、レジェンドを失った。しかし彼が残した影響と財産は永久に不滅だ」と書き込んだ。

 サッカーブラジル代表のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)は、所属するパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)の試合で2点目のゴールをブライアント氏に捧げ、その死は「世界のスポーツ界、そして僕ら全員にとってとても悲しいこと」「バスケットボールのファンにとってだけでなく、彼がスポーツ界にもたらしたあらゆるものにとっても」とコメントした。

 コービー氏と同じ年にプロキャリアをスタートさせたゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)は、ブライアント氏との一番の思い出について聞かれ、自分に通じる負けず嫌いな性格を思い返している。

「火だ」「彼はいつも競争心を激しく燃やしていた。すさまじい勝利への意欲をたぎらせ、それを毎晩コートに持ち込んだ」「いつでも試合になれば常に相手の一番の選手に立ち向かい、40分間その相手をシャットアウトした。思うにそれが、彼のキャリア全体で最も優れた部分だ」

 その他にも、ブライアント氏の現役生活には数々のハイライトがあるが、本来なら引退後の人生でも何かを成し遂げていたはずで、そのことを惜しむ声も上がっている。

 パッキャオと同じく、熱烈なバスケットボールファンで知られるバラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領は、「コービーはコートのレジェンドで、重要なものになるであろう人生の第2幕をスタートさせたばかりだった」とツイートした。

 レイカーズの本拠地ステープルズ・センター(Staples Center)では、きらびやかなグラミー賞(Grammy Awards)の授賞式に、ブライアント氏の死が暗い影を落とした。司会を務めたアリシア・キーズ(Alicia Keys)は、「みなさん、今夜は最高の作品を残したアーティストを祝福する最大の音楽の祭典です」と前置きした上で、こう述べている。

「ですが正直に申し上げて、私たちはみな、頭がおかしくなりそうなほどの悲しさを感じています。本日ロサンゼルス、米国、そして世界がヒーローを失いました」「私たちは今まさに、コービー・ブライアントが築いた場所に胸が張り裂ける思いで立っています」 (c)AFP/Rebecca BRYAN