【1月25日 AFP】イラクの首都バグダッドで24日、イスラム教シーア派(Shiite)指導者ムクタダ・サドル(Moqtada Sadr)師の大勢の支持者が米軍撤退を求めるデモを行った後、これとは別の反政府デモが治安部隊との衝突に発展し、デモ参加者2人が死亡した。

 政府の改革と早期の選挙実施、説明責任の拡大を求める若者主導の抗議活動が始まった昨年10月以降、抗議デモ絡みの暴力による死者は470人超に達し、デモ参加者がその大半を占めている。今週になって、そうした暴力が急増した。

 医療筋と警察筋がAFPに明かしたところによると、24日のデモ隊と治安部隊の衝突では、デモ参加者1人が首を実弾で撃たれたほか、1人が軍用の催涙弾の直撃を受けた後死亡した。衝突発生前には、大勢の男女と子どもが参加した米軍撤退を求める抗議運動が何事もなく行われたばかりだった。

 サドル師は米軍を敵と明言し、「100万人規模」のデモを呼び掛けていたが、自身は参加せず、代理人が読み上げた声明の中で、全ての外国軍のイラクからの撤退と、イラクと米国との安全保障協定の破棄、イラク領空への米軍機の進入禁止、さらにはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対し、イラク当局者に話すときの「傲慢(ごうまん)な」態度をやめるよう要求。「これら全てが実施されれば、われわれは米国を非占領国と見なし、取引する。実施されない場合、イラクの敵国と見なす」と述べた。

 デモ隊は「占領軍は出て行け、出て行け!」とシュプレヒコールを上げ、中には、絞首台にかけられたトランプ氏の画像の切り抜きや、靴で自分の頭をたたいているトランプ氏の画像を張った厚紙を掲げている参加者もいた。(c)AFP/Ayman Henna