【1月19日 AFP】総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」のスター選手、コナー・マクレガー(Conor McGregor、アイルランド)が18日、米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)のTモバイル・アリーナ(T-Mobile Arena)で復帰戦に臨み、わずか40秒でのTKO勝ちを収めた。

 2018年、因縁の相手ハビブ・ヌルマゴメドフ(Khabib Nurmagomedov、ロシア)にサブミッション(ギブアップ)負けを喫して以来の公式戦に臨んだマクレガーは、「カウボーイ(Cowboy)」ことドナルド・セローニ(Donald Cerrone、米国)に力の差を見せつけて難なく勝利した。

 開幕のパンチは空を切ったが、クリンチしてきたセローニの鼻にショルダーチャージを続けざまに打ち込んで早速相手を流血させると、後退したセローニの顎にハイキックを命中させ、パンチの連打で追い打ちをかけた。これ見たレフェリーは、1回40秒で試合を止めた。

 2016年以来の白星を挙げたマクレガーは、これでUFCでの戦績を22勝4敗とした。その試合でマクレガーは、エディ・アルバレス(Eddie Alvarez)とのライト級タイトルマッチを制し、UFC初となる2階級の同時制覇を果たしたが、その後は2017年にボクシングの元世界王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.)氏との異種格闘技戦に敗れ、ヌルマゴメドフに敗れた後は引退とその撤回、警察沙汰などオクタゴン外の話題が目立った。

 それでもUFC史上一番の人気選手ぶりは健在で、チケット完売となった今回の復帰戦には、ボクシング・ヘビー級のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)や、米ナショナルフットボール(NFL)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)のスーパースターであるトム・ブレイディ(Tom Brady)ら有名人も観戦に訪れた。

 通算36勝、UFC最多の20KO勝ちを収めている経験豊富なベテランのセローニとの対戦だったが、タイトルの懸かった試合ではなく、マクレガーは今後もどんどん勝っていきたいと話している。

「この階級(ウエルター級)を気に入っている」「非常に気分が良いね。傷を負わずに試合を終えることができた。しかし以前の自分を取り戻すには、まだやらなくてはならないことがある」

 UFCはマクレガーのタイトルを剥奪しているが、本人は、フェザー級とライト級、そしてウエルター級の3階級でKO勝ちを収めた事実は消せないと指摘している。マクレガーは「また歴史に名前を刻むことができた」とコメントした。(c)AFP