【1月19日 AFP】英バッキンガム宮殿(Buckingham Palace、英王室)は18日、ヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)がこの春以降は王族の称号を使わず、公金を受け取らないことで合意したと発表した。夫妻が私人としてカナダに長期滞在することを認める、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)との取り決めの一環だとしている。

 ヘンリー王子夫妻が主要王族の地位から退くと発表したことを受けて、その影響抑制を図る家族会議が1週間余り続いていた。

 女王は声明で、「何か月もの対話とこのところの話し合いの末、私の孫とその家族に有意義で支えとなる前向きな対応策をともに見いだしたことを喜ばしく思う」と述べた。

 また、王子夫妻とメディアの対立に言及し、「過去2年間にわたって過度に注目された結果、彼ら(ヘンリー王子夫妻)が困難な事態を経験したことを認め、より自立した生活を送りたいという彼らの願いを支持する」と明言した。王子夫妻はプライバシーへの干渉を問題視し、複数の新聞社を相手取って訴訟を起こしている。

 バッキンガム宮殿の声明によると、ヘンリー王子夫妻は王室のメンバーとして公務を行わないため、今後は殿下・妃殿下の称号を使用せず、王室の公務から退き、王室の公務に対して支給される公金も受け取らない。

 また、ウィンザー城(Windsor Castle)の敷地内にある住居「フログモア・コテージ(Frogmore Cottag)」の改修費として英国民の税金から支出された240万ポンド(約3億4400万円)を返済する。

 ただし、カナダ滞在中の警備費負担や夫妻の今後の課税上の地位については不透明なままだ。(c)AFP/Dmitry ZAKS